6月第3週読んだ本、アニメとか

今週の雑感とインプットとか

割と普段通り過ごしてるつもりが文字起こししてみると結構少なかった。
『文学者と哲学者と聖者 吉満義彦コレクション』という本を精読しているのと、TOPANGA CHAMPIONSHIPに時間をかなり吸われた為という説が濃厚。

ときど vs ふ~ど 良すぎたね...

書籍

ポストモダンの思想的根拠 9・11と管理社会 :4点

アニメ

かくしごと :4点

語りたいコンテンツ

ポストモダンの思想的根拠


めちゃめちゃよかった!
著者は題名のポストモダンという語に対して"差異のポストモダン"と"管理のポストモダン"の二通りの意味を与えており、1970年代から流行した"差異のポストモダン"から2001年9月11日を契機とした"管理のポストモダン"への変遷、その流れにおいて台頭した自由管理社会について論じている。

自由管理社会とはオーウェルやハックスリーが予言したような専制的統制管理社会のイメージとは全く異なり、人々の欲望に寛容な態度をとった上で管理するような社会であり、なぜ自由を求めたはずの人々が管理を要請しこのような社会を形成するに至ったのかについての説明は本当に分かり易く、また重要だと思われる情報の割にはこれについて論じてる本は少ないのも相まってかなりコスパのいい本だとは思う。

ただ、前半や中盤で展開されている論にはかなりの魅力があったものの、後半になるにつれ徐々に尻すぼみになっていく感は否めない。
自由管理社会の成立過程やその社会の中で如何にして私たちは権力に対して対抗すれば良いのか?権力に対してどんなに抵抗しても、結局は権力の枠内でしょ?という問いに対して回答がどっちつかずで消極的にならざる負えないわけだ。
まあそれでも、私も(そして恐らくこの本の多くの読者も)その回答に期待するほど理想家ではないのでこの本の高評価に変わりはない。

かくしごと


面白かった!
1~11話までは日常モノっぽい印象を受けるアニメだが、その中でも途中途中"ああ、終盤になんか大きいのあるんだろうな"みたいな空気を上手く出してていい。ジェットコースターをカタカタ上っている感ある。最後の急降下地点での物語の没入体験もめちゃめちゃよかったのでかなり満足。

クリエイターにとって自らの不死性を担保するのは自らが生み出すコンテンツに他ならないが、主人公にとってはそのオルタナティブとして娘である姫の存在がある。
父親が漫画よりも自分の方を大切にしていると悟った姫は主人公に対して"あなたが描いている漫画はもう終わったよ"と告げることができる。
そして父親である主人公は自らが描いていた漫画の終了の悲しみを乗り越え、娘の成長に対して感動する。物語として素直に美しい。拍手。

全体的にハッピーエンドで終わった感のある話だけど、主人公の妻への死別に対して心理的解決がなされてない気がするのだけが唯一の気がかりかも。